事故の修理でドアやフェンダー等のパネルを新品に取り替える際に、
車の色に塗装された状態で部品が届くと思っている方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
新品のパネルはED(電着プライマー)と呼ばれる熱硬化型のエポキシ系防錆塗料を塗装された
(黒やグレー色)状態で届きます。
このEDは優れた防錆性能と密着性を持っていますが、エポキシ系塗料の弱点として
「対候性」がありません。紫外線により塗膜が崩壊してしまいます。
この上から対候性の高いアクリル・ウレタン系塗料により紫外線から保護をしますが、
彩度の高い色などでは紫外線が下地にまで達することがあります。
そのため新品パネルの下処理はサフェーサーを入れることが望ましいのです。
プライマーサフェーサーには紫外線をカットして下地へのダメージを防ぐ役割があります。
パネル表面はダブルアクションサンダーを使用しP240番〜P320番で空研ぎ研磨をします。
裏面は足付けカップブラシやスコッチブライト等の不繊維研磨剤で入念に足付けします。
パネル表面の電着プライマーは非常に薄い(20ミクロン前後)のでプライマーサフェーサーの足付けの為にダブルアクションサンダーP320番にて研磨すると端部やプレスライン部などは面圧が高くなるためすぐに素地(鉄板)が露出してしまいます。どうせプライマーサフェーサーを塗るのだからあまり関係のないように思えるかも知れませんがプライマーサフェーサーは純粋なプライマーに比べると防錆性能は10分の1程しかありませんので当店ではあえて単体でプライマーを使用します。デュポンの820Rは2液型防錆専用塗料で、非常に優れた防錆能力を持つ「ウォッシュプライマー」です。右の写真は新品パネル研磨の際に鉄板がむき出しになった箇所にウォッシュプライマーを塗布しているところです。その後2液型サフェーサーをパネル全体に塗布します。
裏側もベースコートを塗る前に薄くサフェーサを塗布し
その後ベースコート、クリアーと塗って行きます。
サフェーサ → ベースコート → クリアー と
立て続けに塗る工程を「ウェット・オン・ウエット」と言います。
車体に組み付けてから塗装する場合にはこのようにサッシ部・裏面を先に仕上げてしまいます。